演奏家に訊く vol.1 オンド・マルトノ奏者 大矢素子 開催のお知らせ

このたび、石塚が代表をつとめる御嶽神社の集会場を利用して、演奏家の方々にお話を伺う会を始めることとなりました。

その最初のゲストとして、オンド・マルトノ奏者の大矢素子さんにご登場いただきます。オンド・マルトノは、1928年にフランスの技術者・音楽教育家のモーリス・マルトノが開発した電子楽器です。トゥッシュという音のイントネーションを自在に彫琢することが可能なシステムを持ったことで、初期の電子楽器の中では群を抜いて「音楽的な」楽器とされ、メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」、ジョリヴェの「オンド・マルトノ協奏曲」などのレパートリーが生まれました。

大矢さんは、自身4度のソロリサイタルを開催し、坂本龍一によるサウンドトラック「レヴェナント 蘇えりし者」に参加されるなど、この楽器の演奏家としてご活躍されるのみならず、音楽学研究者としてこの楽器を多角的に研究されています。会場に楽器を持ち込み、演奏を交えつつしつつ、この楽器の諸々について語って頂きたいと思います。楽器の歴史、演奏法から、そのレパートリー、記譜法に至るまでを、相互に連関させたコアな会となるでしょう。ふるってご参加ください。

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演奏家に訊く vol.1 オンド・マルトノ奏者 大矢素子
【お話・演奏】大矢素子 (プレゼンター、訊き手 石塚潤一)

【日時】2016年6月5日 17時開始(開場16時30分)

【入場料】2000円(学生1500円 学生証提示をお願いいたします)

【予約】junichi.ishizuka@gmail.com まで、お名前、人数、御連絡先を記載の上お送りください。Facebookのイベントページでも参加表明いただけます。 

【会場】御嶽神社集会場 (東京都練馬区石神井4-34-9 近く)。定員30名。
西武新宿線上井草駅より徒歩8分
荻窪駅より西武バス(荻14 上井草経由 石神井公園行き)にて、井草高校下車 徒歩1分
西武池袋線石神井公園駅より西武バス(荻14 上井草経由 荻窪行き)にて、井草高校下車 徒歩1分

【登壇者プロフィール】

大矢素子

英国生まれ。東洋英和女学院高等部卒業後、東京藝術大学楽理科に入学。在学中、世界的オンド・マルトノ奏者の原田節(ハラダカタシ)に師事。同大学大学院博士課程在学時、ロータリー国際親善奨学生として渡仏、パリ国立高等音楽院に入学。平成20年度文化庁新進藝術家海外派遣制度生として研鑽を積み、2009年同音楽院オンド・マルトノ科を最優秀(首席)で卒業。
帰国後は2011年オペラシティ「B→C」シリーズ(第132回)、2012年NHK FM「リサイタル・ノヴァ」に出演のほか、2013年文化庁主催「明日を担う音楽家たち」の一環として、アンドレ・ジョリヴェ《オンド・マルトノ協奏曲》を、藤岡幸夫指揮、東京フィルハーモニー交響楽団と共演するなど、活発に演奏活動を展開。また、オンド・マルトノの開発者であるモリス・マルトノの思想研究により音楽学博士号を取得(2012年東京藝術大学)。2014年NHK Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」(電子音楽編)に特別講師として出演し好評を博すなど、演奏と研究の両面からフランス現代音楽への近接を図っている。
2012年東京藝術大学教育非常勤助手、2013年〜14年同大学専門研究員を経て、2015年より同大学大学院非常勤講師。
オンド・マルトノを原田節、V=H・アルトマン、音楽学を船山隆、福中冬子の各氏に師事。
2016年4月に日本公開された映画「レヴェナント:蘇えりし者」(監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、音楽:坂本龍一他)のサウンドトラックのなかで、オンド・マルトノ演奏を担当。

オリジナル・サウンドトラック盤「The Revenant(蘇えりし者)」

オリジナル・サウンドトラック盤「The Revenant(蘇えりし者)」

石塚潤一

東京都立大学理学研究科物理学専攻修了。2002年度柴田南雄音楽評論賞奨励賞受賞。読売新聞、ミュージックマガジンユリイカ別冊、音楽現代などへ寄稿。現在、Buncademy にて譜面を読み込んだ上で作曲家に話を伺う「作曲家に訊く」シリーズを継続中。オンド・マルトノ関連では、「黛敏郎電子音楽」(川崎弘二:編著)に寄稿した、「オンド・マルトノは電子鐘の響きを奏でるか?−黛敏郎と二つの電子楽器―」を参照いただきたい。

黛敏郎の電子音楽

黛敏郎の電子音楽