生頼まゆみさんへのインタビュー


今週末開催の「演奏家に訊く vol.6 ツィンバロン奏者 生頼まゆみ」(詳細はこちらをクリック)での演奏曲について、生頼さんに幾つか事前にコメント頂きました(木下作品については、追って作曲家自身によるコメントもあるかと思います)。
至近距離でツィンバロン演奏を聴ける、得難い機会になるかと思いますので、皆様、お誘いあわせの上どうぞ。
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石塚潤一、以下、石) 今回、日本初演を含めた5作品を演奏して下さるとのことですが、それらの作品について簡単にご紹介頂けますか?
生頼まゆみ、以下、生)近年イタリア人作曲家はツィンバロンの作品を沢山発表していて、その中のひとりアンティニアーニ は、クルタークに影響を受けて作曲しており、今回演奏する曲は現代的奏法を色々試みた作品です。
石)アンティアーニは1976年生まれ。この作品が、今回日本初演ということですね。対してオリヴェイラは1959年生まれ。ちょっと上の世代の作曲家です。
生)オリヴェイラ電子音楽などを多く作曲している作曲家で、なぜツィンバロンを用いたのかは分からないのですが、楽器の音色とその他の作られた音の融合が面白い作品となっています。
石)で、現代ツィンバロン楽曲では極めて重要なハンガリークルターク。1926年の2月生まれですから、もう91歳になりますが、まだまだお元気で作曲を続けているようです。この≪Hommage a Berenyi Ferenc 70≫は、しばしばピアノでも演奏される作品ですが。。。
生)≪Hommage a Berenyi Ferenc 70≫は、ピアノ曲集≪Játékok≫の中の1曲なので、ツィンバロンでもひけるピアノ曲、と認識されがちですが、紛れもなくツィンバロンの為に書かれたものです。そのことは楽譜に書いてあるのですが、聴いていただければ分かって頂けると思いますので、ぜひ実際に聴いて頂けましたら嬉しいです。
石)近年は、日本人もツィンバロンの作品を作曲するようになって、生頼さんが初演された作品が随分あります。木下正道(1969年生)さんの作品は、その中の一曲ですね。
生)木下さんの作品は、初演の際、諸々の都合により楽譜と少し違うように弾くこととなってしまいました。今回は初めての「楽譜通りの演奏」になりますから、初演を聴かれた方も是非!聴かれてない方にも、木下さんの音楽世界を一緒に楽しんで頂ければと思います。
石)他に、ツィンバロンの伝統的な音楽についても用意頂いているとか。
生)ロマ音楽において、ツィンバロンはもともとソロ楽器ではないのですが、その雰囲気が味わえる曲を用意しました。
石)聴いてみてのお楽しみということですね。それでは日曜日を楽しみにしています。