{音楽}音楽現代6月号 20.5世紀からの世界の音楽 20人の作曲家による20作品 推薦盤

先月に引き続きまして、音楽現代6月号でも特集記事「20.5世紀からの世界の音楽 20人の作曲家による20作品」を寄稿いたしました。

音楽現代 2015年 06 月号 [雑誌]

音楽現代 2015年 06 月号 [雑誌]

おかげさまで、先月号がamazonで早々に売り切れになるなど、随分読まれているようで何よりです。編集部の要請により、20世紀後半の音楽から、20人の作曲家による20作品を選びましたが、紙幅の関係で音盤情報が入れられませんでした。本稿はこれを補うものです。推薦盤は、一曲につき一盤に絞りましたが、入手が難しいものが含まれる場合、また、甲乙つけがたいものがある場合に複数の推薦盤を挙げました。また、私が未聴のため、ここに挙げられなかった音盤があることも申し添えておきます。

1、ストラヴィンスキー 《オルダス・ハクスリー追悼の変奏曲》

Later Ballets: Jeu De Cartes Danses Concertantes

Later Ballets: Jeu De Cartes Danses Concertantes

後期ストラヴィンスキーについては、私がかつて書いたこの文章も参考になるかと。また、《変奏曲》は入っていませんが、ストラヴィンスキー後期の傑作3作品を明晰な演奏にて収録したこちらの音源もお勧めです。
ストラヴィンスキー:後期作品集(カンティクム・サクルム、バレエ「アゴン」、レクィエム・カンティクルス) (Stravinsky : Canticum Sacrum, Agon, Requiem Canticles / Gielen)

ストラヴィンスキー:後期作品集(カンティクム・サクルム、バレエ「アゴン」、レクィエム・カンティクルス) (Stravinsky : Canticum Sacrum, Agon, Requiem Canticles / Gielen)



2、プーランク 《カルメル派修道女の対話》
Poulenc;Dialogues Des Carm

Poulenc;Dialogues Des Carm



3、ショスタコーヴィチ 《交響曲第15番》
Symphonies Nos. 1 & 15 (Hybr)

Symphonies Nos. 1 & 15 (Hybr)



4.ブリテン 《チェロ交響曲
Cello Symphony/Symphonic Suite from Gloriana/Four

Cello Symphony/Symphonic Suite from Gloriana/Four

シャンドスレーベル肝いりの若手指揮者の好演を。


5、ブーレーズ 《ピアノ・ソナタ第3番》

Pierre Boulez & the Piano

Pierre Boulez & the Piano



6、シュトックハウゼン 《ピアノ曲X》
Stockhausen: Mikrophonie 1&2

Stockhausen: Mikrophonie 1&2



7、ノーノ 《プロメテオ
Prometeo Tragedia Dell

Prometeo Tragedia Dell

  • アーティスト: Susanne Otto,Noa Frenkel,Luigi Nono,Peter Hirsch,Kwamé Ryan,Freiburg Philharmonic Orchestra,Baden- South West German Radio Symphony Orchestra,Monika Bair-Ivenz,Petra Hoffmann,Freiburg Soloists Choir,Recherche Ensemble
  • 出版社/メーカー: Col Legno
  • 発売日: 2007/10/30
  • メディア: CD
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Nono: Prometeo

Nono: Prometeo

上の盤はマルチチャンネルSACDで、ノーノの意図した空間音響がよりオリジナルに近い形で収録されている。


8、ベルント・アロイス・ツィンマーマン 《若き詩人のためのレクイエム》

Zimmermann: Requiem fur einen jungen Dichter

Zimmermann: Requiem fur einen jungen Dichter

Bernd Alois Zimmermann: Requiem fur Einen Jungen Dichter

Bernd Alois Zimmermann: Requiem fur Einen Jungen Dichter

演奏内容からすれば上のギーレン盤が最上。しかしながら、マルチチャンネル再生環境があれば、下のコンタルスキー盤(SACD)もその圧倒的な録音の良さゆえに勧められる。8月のサントリー・サマーフェスティバルでの日本初演大野和士指揮、都響他)も楽しみだ。


9、ラッヘンマン 《Schwankungen am Rand (境界上のゆらぎ)》

Lachenmann: Schwankungen am Rand

Lachenmann: Schwankungen am Rand

評者は、ペーテル・エトヴェシュを作曲家としてより指揮者として高く評価するものだが、これは彼の分解能の高さという意味での耳の良さが十全に発揮された凄演。


10、ケージ 《16のダンス》

ケージ:16のダンス

ケージ:16のダンス

現在、新品での入手は難しい盤だが、中古盤を丹念に探すと見つかるだろう。


11、フェルドマン 《コプトの光》

Symphony 8 in C Minor / Coptic Light

Symphony 8 in C Minor / Coptic Light



12、ウストヴォーリスカヤ 《コンポジション第2「怒りの日」》
Preludes & Compositions

Preludes & Compositions



13、クセナキス 《エルの物語》
Legende D'eer for Multichannel Tape [DVD] [Import]

Legende D'eer for Multichannel Tape [DVD] [Import]

同内容のCDもあるが、2chハイレゾ音源と、5chサラウンド版を収録したDVDを第一に勧める。


14、グロボカール 《バルカンの哀歌》
Globokar;Balkan

Globokar;Balkan

Nu.Improvisation.Live

Nu.Improvisation.Live

下の盤は、上の盤と別の1枚(さらに新録の1作品)を加えて2枚組で再発したもの。


15、ナンカロウ 《ピアノのための習作集》

Player Piano 1

Player Piano 1

Player Piano 3: Nancarrow Studies for Player Vol 2

Player Piano 3: Nancarrow Studies for Player Vol 2

Studies for Player Piano 7

Studies for Player Piano 7

Studies & Other Works for Piano

Studies & Other Works for Piano

ナンカロウについては、

クラシック野獣主義

クラシック野獣主義

に収録されている拙稿:『野獣的感性でもってコンロン・ナンカロウを噛み砕くこと』も併せてどうぞ。


16、リゲティ 《ヴァイオリン協奏曲》
Boulez conducts Ligeti: Concertos for Cello, Violin & Piano

Boulez conducts Ligeti: Concertos for Cello, Violin & Piano

Bartok Eotvos Ligeti

Bartok Eotvos Ligeti

最も正統的な音盤と、冒険的な音盤を一つずつ。


17、べリオ 《曲線上に見出される点》

Chorale: Chemins 2/4

Chorale: Chemins 2/4

ブーレーズが、エマール独奏のアンサンブル・アンテルコンタンポランを指揮した盤。この音源は、ブーレーズの90歳を祝って出されたボックスなどにも収録されている。


18、ライヒ 《18人の音楽家のための音楽》

Music for 18 Musicians

Music for 18 Musicians

ライヒ自身が組織したアンサンブルによる録音、上が最初の、下が再録。


19、シェルシ 《Konx-Om-Pax》

Scelsi: Aion Pfhat Knox Om Pax

Scelsi: Aion Pfhat Knox Om Pax

これらシェルシの管弦楽曲をあつめた、3枚組のボックスなどもあった。
Scelsi-Oeuvres Pour Orchestre

Scelsi-Oeuvres Pour Orchestre



20、グリゼー 《時の渦》
Grisey: Talea / Vortex Temporum

Grisey: Talea / Vortex Temporum

Vortex Temporum

Vortex Temporum