演奏家に訊く vol.5 ギター奏者 山田岳

ギターの起源は紀元前3000年に遡り、いわゆるクラシック・ギターに限っても、すでに200年以上の歴史をもっています。そこでは、フェルナンド・ソル、マウロ・ジュリアーニ、マテオ・カルカッシ、あるはフランシスコ・タルレガといった、ギター演奏家でもあった作曲家たちによって、レパートリーが開拓されてきました。
しかしながら、20世紀の後半以降、ギター奏者ではない作曲家が、奏者の身体性とは離れた様々なアイディアをこの楽器へと齎し、極めて興味深い作品を作曲しています。また、エレキギターの誕生はギターの歴史に特筆されるべき事件で、現代音楽分野でも注目すべき作品が生まれています。ただし、アコースティック楽器の奏者を軸にレパートリーが発展してきたクラシック界では、こうした楽曲は知る人ぞ知る作品となっています。
当イベントでは、アコースティック、エレキの双方を弾きつつ先鋭的な活動を続ける山田岳さんにご登壇いただき、これらの、「ギタリストも知らない」現代ギターの興味深い作品群について、演奏を交えて語っていただきます。
******************
演奏曲目
モートン・フェルドマン≪The Possibility of a New Work for Electric Guitar≫(1966)(エレキギターソロ)
松平頼曉≪Grating≫(1998)(クラシックギター:ガット弦ソロ)
ファウスト・ロミテッリ≪Trash TV Trance≫(2002)(エレキギターソロ)
福井とも子≪a color song III≫(2013)(フォークギター:スチール弦ソロ)
足立智美《どうしてひっぱたいてくれずに、ひっかくわけ?》(2011)(エレキギターソロ)
******************
【お話・演奏】山田岳 (ギター奏者)
【プレゼンター・訊き手】 石塚潤一 (音楽批評)
【日時】2017年3月26日(日) 17時開始(開場16時30分)
【入場料】一般予約:2000円 学生予約:1500円 当日:2300円
【予約】junichi.ishizuka@gmail.com まで、お名前、人数、御連絡先を記載の上お送りください。
Facebookのイベントページでも参加表明いただけます。
【会場】練馬区石神井 御嶽神社集会場 (東京都練馬区石神井4-34-9付近。境内に案内あり)
西武新宿線上井草駅より徒歩8分
荻窪駅より西武バス(荻14 上井草経由 石神井公園行き)にて、井草高校下車 徒歩1分
西武池袋線石神井公園駅より西武バス(荻14 上井草経由 荻窪行き)にて、井草高校下車 徒歩1分
【お問い合わせ】メールにてお願いいたします。junichi.ishizuka@gmail.com (石塚)
******************
山田岳
これまでにギターを佐藤紀雄、長野文憲、徳武正和、D.ゲーリッツの各氏に師事。エリザベト音楽大学ドイツ国立ベルリン‘ハンス・アイスラー音楽大学卒業。第41回日本クラシカルギターコンクール優勝。第38回イタリア・ガルニャーノ国際ギターコンクール最高位。第1回ドイツ・ベルリン国際ギターコンクール第3位入賞。第9回現代音楽演奏コンクール「競楽IX」優勝。第20回朝日現代音楽賞受賞。2006年に渡独。在独中はベルリンを中心とした多くの現代音楽シリーズに出演。とりわけ久保摩耶子作曲「イザナミの涙」「イザナギの叫び」の初演・録音は好評を博し、ベルリン文化放送などのメディアにも取り上げられた。2009年帰国。
現在、東京を拠点に全国各地でのリサイタル活動や新作初演のほか、アンサンブル・ノマド、Echoアンサンブル・ベルリンなどの国内外の現代音楽アンサンブルへの参加や即興演奏、また造形家・内倉ひとみ氏とのコラボレーションによるサウンドインスタレーションなどの活動を展開している。2010年、自身が主催する現代音楽の演奏を中心としたアンサンブル「Trio ku」において、ベルリン、ハノーファー、ツェペルニックのドイツ3都市の音楽祭に招聘され公演。

石塚潤一
東京都立大学理学研究科物理学専攻修了。2002年度柴田南雄音楽評論賞奨励賞受賞。読売新聞、ミュージックマガジンユリイカ別冊、音楽現代、音楽の友などへ寄稿。現在、Buncademy にて譜面を徹底的に読み込んだ上で作曲家に話を伺う「作曲家に訊く」シリーズを継続中。松平頼暁近藤譲湯浅譲二の各氏にお話を伺う。本シリーズでは、大矢素子(オンドマルトノ)、生頼まゆみ(ツィンバロン)、大石将紀(サクソフォン)、太田真紀(ソプラノ歌手)に登壇いただく。