体重へらそう

ここしばらくの間、某所に掲載される電子音楽関連の原稿を延々と書いていたりで、こちらにまで手が廻りませんでした。これからは、月に2度くらいは更新していく予定です。

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座って仕事をすることが多い上、そうしたときは煎餅をコーヒーで腹の中に流し込みながら、というのが大抵なので、この間体重計に乗ったら体重が77キロ、体脂肪率が29%と表示された。内閣支持率なみの数値と笑っていたが、あちらはあっという間にダイエットに成功していき、今では完全に取り残されてしまった。まあ、そのことは措くとしても、機械に「あなたは完全に肥満だ。あなたの肉体年齢は50歳だ」と指摘されるのは腹が立つ。それに、御嶽神社という山岳信仰の一端を担う神社の宮司がブクブクと太っているというのは、正直格好の良いものではない。というわけで、来年の3月までに体重を減らそうという思い立ったわけである。

だが、こうやってダイエットに挑戦するのは実は初めてのことではない。時々思い立っては、そのたびに主にリバウンドから失敗していたように思う。というのも、かつての自分にとって、ダイエットというのはひたすら走ることだった。今は見る影もないが、中高生の頃は長距離が強く、普段運動らしい運動をしていないのに、校内のマラソン大会では学年でヒトケタ台に入るなどしていた私である。というわけで、とにかく有酸素運動を延々と続ければ体重は自ずと減るという思い込みもあって、1日15キロ〜20キロを毎日走ったり、ということを延々と続けたりしたのだった。

さらには、プールで2〜3キロ泳ぎ続けたりもした。確かに、減ることは減った。だが、苦労したほどの効果があったかといえば疑問だ。これと決めたらムチャなことをやる性分ゆえに、1ヶ月から2ヶ月そうした生活を続けることくらいは出来るのだが、効果が出ないと張り合いも失せる。次第に運動から遠ざかり、少々減った体重も1ヶ月ほどでリバウンドということの繰り返しとなるのである。

昨日テレビでクワバタオハラくわばたりえが出演するコアリズムのCMを見た(余談だが、合間に放送された杉本彩のインタビューも凄かった。もはやセクシーという概念を完全に超越した異形になっているという感じ。)のだが、彼女の3倍は運動していたと思う。それでも体脂肪率が20%を切ることはついぞなかった。

納得がいかない。そう思い、ダイエット関連のサイトを幾つか調べてみた。特に参考になったのはここ

なるほど。私はかなり昔のダイエットの常識に囚われるあまり、ペースも考えずただ走り続けることに拘り過ぎていたのだろう。

たとえば、15キロ走る際にも、10キロ50分を切るペースで走っていたように思う。前回のタイムよりも少しでもタイムを縮めるようという、一種の性のようなものがあったし、マラソン有酸素運動である、という思い込みがあったので、これで万事上手くいくはずだった。同じ時間走るならば運動の強度は強い方が良いだろう、と。

さて、人間誰しも運動を始める段階では、まずは血液中の糖分や筋肉中の筋グリコーゲンが使われる。その後、運動の強度によって、筋グリコーゲンさらには肝臓のグリコーゲンが使われるか、肝臓・皮下脂肪の順で遊離脂肪酸が放出されて皮下脂肪の燃焼に繋がるかが決まるのだ。ダイエットにおいては後者が望ましいことは言うまでもない。強度の強すぎる運動をすると、皮下脂肪は使われず、筋肉・肝臓のグリコーゲンばかりが消費されることになってしまうのだ。また、脂肪の燃焼を助ける酵素リパーゼは、体温が上がりすぎると働きが悪くなるし、その活動には充分な酸素が必要だ。というわけで、体脂肪を減らすにはウォーキングや軽度のジョギングが有効で、息を切らしつつどこまでも走り続ける私の方法では、体脂肪は期待するほどに減らなかったというわけだ。

さらに私は、有酸素運動に拘るばかりで、ダイエットに筋肉トレーニングを組み合わせるということを一切行わなかった。長い有酸素運動の前に筋肉トレーニングを行うと、体のエネルギー代謝を上げることができ、同じようにウォーキングやジョギングを行ったとしても脂肪の燃焼効率が上がる。さらには、筋肉の維持には、同じ重さの脂肪を維持するより多くのエネルギーが必要になるので、同じ体重の人ならば筋肉が多い方がただ立っているだけでもエネルギーを消費しやすい、ということになるのだ。

それゆえ、かつての私は、運動しては体内のグリコーゲンを消費し、それを食事によって補給することを繰り返していたようなもので、これでは思ったように体重が減るわけがない。さらに、グリコーゲンの燃焼においては乳酸が生成され、これが筋肉内に残ることによって疲れの原因となる。こうした運動を長期間続けるとストレスになるのは自明のことである。

無理なダイエットとその失敗を繰り返す中で、確実に細くなっていく自分の筋肉。まるで今日の日本経済、みたいなオチなのだが。これからは適度な筋肉トレーニングも組み合わせて、無理のないダイエットをしていこうかと思う。で、3月には立川・昭島で行われるハーフ・マラソンに出場してみる心算。

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