{音楽}演奏家に訊く vol.4 ソプラノ歌手 太田真紀

山羊座の歌≫は、イタリアの作曲家:ジャチント・シェルシ(1905-1988)が、声楽家:平山美智子(1923―)の協力のもと作曲/初演した全20曲、演奏時間1時間に及ぶ歌曲チクルスです。声の可能性を極限まで追求したこの作品は、長らく平山美智子以外には演奏不可能な作品とされてきました。

太田真紀さんは、ローマの平山美智子氏のもとでシェルシ作品を研究し、昨年秋に、東京で≪山羊座の歌≫全曲を歌ったソプラノ歌手です。今回、太田さんをお迎えし、≪山羊座の歌≫を中心としたシェルシ作品についての最近の研究/演奏におけるトピックに加えて、現代声楽作品への取り組み全般に関してお話を伺います。

オンディオーラという電子楽器での即興演奏を録音し、これをアシスタントに採譜/構成させる、という形で創作を行ってきたシェルシの作品については、音楽界でも未だ様々な意見があります。しかし、その表出力の高さが、欧米を中心に再評価されてきた今日、シェルシ作品について思考することは、単なる作曲家研究の域を超えた意義を持つこととなるでしょう。皆様のご参加をお待ちしております。
 
【お話・演奏】太田真紀 (ソプラノ歌手)
【プレゼンター・訊き手】 石塚潤一 (音楽批評)
【日時】2016年11月20日(日) 17時開始(開場16時30分)
【入場料】2000円(学生1500円 学生証提示をお願いいたします)
【予約】当ページにて参加表明いただくか、junichi.ishizuka@gmail.com まで、お名前、人数、御連絡先を記載の上お送りください。
【会場】御嶽神社集会場 (東京都練馬区石神井4-34-9 近く)。定員30名。
西武新宿線上井草駅より徒歩8分
荻窪駅より西武バス(荻14 上井草経由 石神井公園行き)にて、井草高校下車 徒歩1分
西武池袋線石神井公園駅より西武バス(荻14 上井草経由 荻窪行き)にて、井草高校下車 徒歩1分

【登壇者プロフィール】
太田真紀
同志社女子大学学芸学部声楽専攻卒業。同大学音楽学会《頌啓会》特別専修生修了。大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。東京混声合唱団のソプラノ団員として活動後、文化庁新進芸術家海外研修制度にてローマに滞在し、ジャチント・シェルシの作品をコラボレイターである平山美智子氏のもとで研究した。2013年にはローマのイザベラ・シェルシ財団でのコンサートで平山氏へ捧げられたシェルシの作品を世界初演し、イタリアのラジオCEMATにて放送された。ケルン大学ではシェルシ作品による無伴奏ソロリサイタルを開催。2015年はSound Live Tokyoフェスティバルにて「山羊座の歌」全曲を演奏した。またバーゼルで開催されているシェルシ・フェスティバルへ毎年出演している。これまでに三ツ橋敬子指揮いずみシンフォニエッタ大阪定期演奏会ソリストとして出演したほか、メディチ芸術祭(ローマ)、ヌオヴァコンソナンツァ・フェスティバル(ローマ)、ローマ・ケルン・パリ日本文化会館、武生国際音楽祭、東京オペラシティリサイタルシリーズ"B→C"、サントリー芸術財団サマーフェスティバル、ニュイ・ブランシュ Kyoto2016他に出演、活発な演奏活動を行っている。

石塚潤一
東京都立大学理学研究科物理学専攻修了。2002年度柴田南雄音楽評論賞奨励賞受賞。読売新聞、ミュージックマガジンユリイカ別冊、音楽現代、音楽の友などへ寄稿。現在、Buncademy にて譜面を徹底的に読み込んだ上で作曲家に話を伺う「作曲家に訊く」シリーズを継続中。松平頼暁近藤譲湯浅譲二の各氏にお話を伺う。シェルシ関連では、2013年に、太田真紀、松平頼曉の各氏、イタリアの演奏団体nuova consonanzaとともに、コンサート「平山美智子 90歳の軌跡」と関連シンポジウムを企画・制作した。