自転車で奥多摩へ1

2年前に自転車を購入したのだが、その年の末に逢った事故でメインフレームもフロントホークも微妙に曲がってしまった。これを直すことは出来ず、少々バランスが悪くなってしまったのだが、半年のうちに愛着も出てきた自転車だったので、そのまま乗り続けている。ただ、サントリーホール周辺くらいならともかく、思い切って遠くへいくことは無意識的に避けてきた。

だが、27の夕方から28日の昼にかけて思いがけず時間が空いたので、ふと、自転車でちょっと遠くへ出かけてみようと思った。

そもそもは、27日の16時頃、ちょっと涼しくなってきたので、近場で風景のよさそうなところ、ということで、多摩湖あたりまで行ってみようと思ったわけだ。まあ、これにしても、久米川の付近で裏道に入ろうと思って失敗。東村山市役所あたりの裏道で迷い、思いもしない方向に向かって走ることになった。

最終的に所沢街道に出ることが出来たので(所沢街道ならば、車で何度も走ったことがあった)、結局、西所沢経由で多摩湖を目指すことに。

西所沢と西武ドームを結ぶ線路を下山口の西で渡る。

坂を登って、西武線レオライナーと併走する道を走っていく。

西武ドームの前に出た。

その先に多摩湖。その昔はここも行楽地で、湖畔に立てられた村山ホテルは大岡昇平の「武蔵野夫人」の舞台にもなり、これを映画化した溝口健二の作品にも登場する。今では湖畔はラブホテルばかりだけど。

湖畔で休んでいるとき、ふと、西に向かっていけるところまで行ってみたら面白いのではないか、と思った。



で、場合によってはネット喫茶で一泊することも覚悟し、青梅街道の旧道を西へとひた走る。

ちょうど青梅駅周辺で19時になろうとしていた。

これ以上、西へいくと泊まろうにも泊まれる場所がないかも知れない。自転車を駅前にとめて一度自宅へ戻ろうかとも思った(輪行用の器具などは持っていない)が、明日、早朝4時に出発して奥多摩の峠道にアタックすることを考えていたので、目に入ったネット喫茶に入る。ホテルに泊まることも考えたが、チェックアウトが朝4時という客など迷惑なだけかと思ったので。

しかし、これは大失敗。常にBGMが流れていて、とても翌朝に備えて10時には就寝できる場所ではない。隣のブースからは、「○○から電話があって多額の金が入ることが内定した。だから頼むから俺に□□万円出資してくれ」なんて、あからさまに怪しい電話をかけているのが聞えて来る。いや本当、ネット喫茶で1ヶ月暮らすルポなど依頼されても、絶対断ろうと思う。結局、「宇宙兄弟」とか「カイジ」とか、途中まで読んでいたもののそのあとをフォローしていない漫画を幾つか読んだりしているうちに朝の4時。さすがに、一睡もせずに出かけたら死ぬ、という予感があったので、ようやくやってきた眠気に身を任せ、9時半まで寝る。