自主映画に出演してみた

 友人が音楽を担当する自主映画に出演することになり、生まれて初めてカメラの前で演技なるものをしてきました。我ながらキャラクターにないことをやっていると思いますが、映画制作の現場というものに一度は参加してみたいという好奇心が、出演に対する不安を凌駕し、後先考えず引き受けてしまったという次第。映画は好きでいろいろ観ていますが、現場に立ってみることで初めて見えてくるものもあると思いましたし、何より「仲間と映画を撮る」という行為に子供の頃から憧れていたものですから(トリュフォーの「アメリカの夜」など観ると泣きそうになりますね)。

 私が出演するシーンは僅かですが、主人公にストーリー上重要な示唆を与える医者の役をやらせてもらいました。ワイシャツ着てネクタイを締めて、その上から白衣を被せたら医者らしく見えるだろう、ということで呼ばれたわけです。ちなみに、白衣は監督がヤフオクにて500 円で落札したもの。主人公を演じるのはプロの俳優さんだったので、感覚としては大友義英ニュージャズオーケストラ付属の「新宿2丁目フィル」に参加させて頂いたときに似ています。それにしてもプロの俳優は違う。撮影の時は何気なく見える振る舞いの一つ一つが、画面を通すとビシッと「決まって」くるのには驚かされました。一緒に映っている自分と比較出来るのでなおさら。

 撮影後、監督宅でカレーをご馳走になりました。1日がかりになることを覚悟していましたが、早朝から撮影をはじめたため午後が空くことになり、小平駅まで送って頂き、池袋で行われる第一回東京佼成ウィンドオーケストラ作曲コンクール本選会へと向かうことに。