101年目からの松平頼則のための参考資料

来月16日の≪101年目からの松平頼則 I≫の準備で、慌しくしている今日この頃。日記を書いている時間もないので、去年書いた松平関係の文章でも公開してみようかと。
松平頼則の作品が、1950年以降、音列を駆使して作曲されていることは間違いないが、総音列技法で書かれていると示した文献は存在しないのでは?」という、作曲家:川島素晴氏の指摘に基づき、3時間ほどのスコアの検証の結果書かれたものなので、まだまだ磨くべきところはあるのだけれど、雅楽という極めて伝統的な素材に依拠しているがゆえに誤解されがちなウルトラ・モダニスト:松平を紹介するには、それなりに有益な文書だと思い、敢えて公開に踏み切ったという次第。松平の1958年の作品「左舞」から、1〜2楽章が分析されている。
ただし、川島氏及びその周辺を読者として想定しているので、音楽初心者向けではないことは確か。
http://ontakejinjya.hp.infoseek.co.jp/matsu.pdf
しかしながら、この作品の強烈な譜割はただ眺めるだけでも十分面白いかも知れない。

Bugaku Dance Suite

Bugaku Dance Suite

この作品を収録したCD。高関健と大阪センチュリー交響楽団はこの至難な楽曲をよく演奏している。