「日本の電子音楽 増補改訂版」出版記念イベント

川崎弘二氏の「日本の電子音楽 増補改訂版」が出版され、その出版記念イベントに不肖・私が出演することになった。と、いうのも、川崎氏は関西在住で東京のイベントに出てくることはかなわないので。主催の米本さんによる紹介文はこのような感じ。

こんにちは、よねもとと申します。私は武蔵小金井アートランドで、隔月のイベント企画をしているのですが、次回5月7日に、3月に出版された『日本の電子音楽 増補改訂版』の関連イベントを行うことになりました。ゲストに、同署に論文を執筆されている音楽評論家の石塚潤一氏をお迎えして、レクチャーをしていただく予定です。たいへん興味深いイベントになると思います。是非ご参加ください。


石塚潤一:豊饒なる音響の海へと船出せよ 
〜『日本の電子音楽 増補改訂版』出版記念イベント


先頃ついに出版された、川崎弘二編著『日本の電子音楽 増補改訂版』。1000ページをゆうに超えるそのヴォリュームには(旧版に約500ページもの増補が!)、日本の電子音楽めぐる論文、膨大な量の貴重なインタビューや詳細な資料が圧倒的な情報量で詰め込まれ、この分野での最も重要な書物であることは疑いのない必読の一冊です。

今回、川崎弘二氏によるこの労作の出版を記念して、同書に音響物理の観点から音の解析に関する論文を執筆された石塚潤一氏をお迎えして、サイン波やその合成を実際に聞きながら音響解析の解説をしていただき、電子音楽を語っていただきます。

質疑応答の時間も設ける予定です。

日時:5月7日(木)開場19:30開演20:00
料金:1000円+ドリンク代
場所:武蔵小金井アートランドhttp://www.freespace-artland.com/
〒184-0004 東京都小金井市本町1・16・6 小金井マンション1B
TEL&FAX 042-383-6155

(JR武蔵小金井駅南口を下車、モスバーガーのある線路沿いの道を新宿方面に戻り、鳥居を超えたらすぐの、道の右手、一階が居酒屋の白い建物の地下。駅から徒歩数分。)

○いらっしゃる方は、川崎弘二「日本の電子音楽 増補改訂版」(愛育社)のうち、石塚担当部分だけでも、事前に読んでおいて頂けるとより楽しめると思います。未読の方に配慮した 進行には致しますが、フォローには限界もあるかと思います。また、当日、該当部分のコピーを配るといった予定はありません。
○延々と数式を書いたり、理系の人にしか通じないようなコアな話を続けたり、といった堅苦しいイベントにする気は全くありません。「日本の電子音楽」に寄稿した文章は、高校生にもわかる範囲でと、極限まで噛み砕いて書いたつもりではありますが、具体的な音源を付けられるわけでも、譜例を付けられるわけでもなかったので、それゆえのわかりにくさがあったかと思います。あくまでもそこを補完するのが狙いです。
○基本的には音源を聴きつつ、1950年代から60年代を中心とした日本の電子音楽に、順繰り触れていくような感じです。もちろん、湯浅譲二はそうした中で最も優れた仕事を成し遂げた作曲家ですから、スピーカーとアンプを持ち込んで、湯浅譲二の「イコン」を爆音でかけるくらいのことは致します。
○スピーカーは4本持ち込むつもりなので、クセナキスの「ヒビキ・ハナ・マ」とシュトックハウゼンの「グルッペン」については、マルチチャンネルでの再生も試みます。
○「日本の電子音楽」所収の拙評論では、素材論に特化してしまったがゆえに、湯浅譲二「ヴォイセス・カミング」や篠原眞「ブロードキャスティング」のようなユニークなミュジック・コンクレートの展開には、触れられませんでした。この点を反省し、イベントではこうした作品群についても何らかの回収を行うつもりです。ということは、リュック・フェラーリの音源をかけたりもすることにもなるでしょう。
○基本的には「日本の電子音楽」で扱われている対象についての話です。そこに音響やら物理やらを絡める予定ですので、MAX-MSPの使い方を教えてくださいとか、FFTの高速化のプログラムを組んでみたんですがコメントを、みたいな話にはまずなりません。
そんな感じですので、よろしければどうぞ。