音楽

「日本の電子音楽 増補改訂版」出版記念イベント

川崎弘二氏の「日本の電子音楽 増補改訂版」が出版され、その出版記念イベントに不肖・私が出演することになった。と、いうのも、川崎氏は関西在住で東京のイベントに出てくることはかなわないので。主催の米本さんによる紹介文はこのような感じ。 こんにち…

101年目からの松平頼則

昨年7月より、作曲家:松平頼則(1907-2001)の創作を俯瞰するコンサート・シリーズ:「101年目からの松平頼則」を企画・制作している。松平頼則は石岡藩主松平家の直系で、その祖先の一人は徳川家康であった。宮内省狩猟官を務めた松平頼孝子爵の一人息子と…

そういえば、ユリイカの坂本龍一特集に

ユリイカ4月号増刊 総特集坂本龍一 にサントラの批評を5枚分だけ書いたという話は以前に書いた。ちょうど私の手元に「ハイヒール」「リトル・ブッダ」「御法度」「星になった少年」「シルク」の5枚がありますよ(実は、「ハイヒール」と「リトル・ブッダ…

そら飛ぶ庭関連 戸下神楽 ナンカロウ 雪村いづみ

2年ほど前から「そら飛ぶ庭」という情報サイトに寄稿を続けていて、現在までで21本ほどの原稿を寄稿したことになる。かつては、「嵐山光三郎団長ひきいる人生黄金期の情報サイト」という惹句がトップページに踊っていたため、内容の選択が過度にマニアック…

日本の電子音楽 増補改訂版

川崎弘二氏の著書「日本の電子音楽」が増補改訂され、そこに原稿用紙60枚ほどの評論「豊饒なる音響の海へと船出せよ」を寄稿した。数学的な素養のない方に音の科学の基礎を説明しつつ、1950年代から60年代の電子音楽制作の現場で何が問題になっていて、どの…

ユリイカの坂本龍一特集に

五枚分ほどのサントラレビューを執筆、というか、今、最後の一枚についての原稿を執筆中。長めの論考を書くという話は、締め切りまで間がなかったので、お断りしてしまったが。 4月14日に発売される雑誌「ユリイカ」の臨時増刊号が、坂本龍一の総特集になる…

4.クセナキス:室内楽曲・ピアノ曲推薦盤

Xenakis: Anaktoria, Oophaa, Charisma, Mists, Mikka "S", Morsima-Amorsimaアーティスト: Xenakis,Octuor de Paris,Chojnacka,Gualda出版社/メーカー: Accord発売日: 1996/11/26メディア: CD購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る→絶…

3.クセナキス:合唱音楽推薦盤

ヤニス・クセナキス;「20世紀の音楽シリーズ」 (Iannis Xenakis: Oresteia)アーティスト: Iannis Xenakis出版社/メーカー: Naive発売日: 2002/07/09メディア: CD購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (1件) を見るColone Nuitsアーティスト: Critic…

2.クセナキス:管弦楽曲推薦盤

Xenakis: Orchestral Works Vol1アーティスト: Spiros Sakkas,Iannis Xenakis,Arturo Tamayo,Luxembourg Philharmonic Orchestra出版社/メーカー: Timpaniメディア: CD クリック: 10回この商品を含むブログ (3件) を見るXenakis:Orchestral Works Vol.2アー…

1.クセナキス:アナログテープ音楽推薦盤

Xenakis: Persepolis (Fractal) 画像・リンクなし→× Persepolis Plus Remixes 1アーティスト: Iannis Xenakis出版社/メーカー: Asphodel Records発売日: 2002/08/13メディア: CD購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (9件) を見るヤニス・クセナキ…

クセナキス名盤紹介 巻頭言

これは、2001年の作曲家:ヤニス・クセナキスの逝去をうけて、今はない「クラシック招き猫」というサイトへと投稿した記事が元になっています。それに若干手を加え、2002年頃から作曲家:中橋愛生氏のHPに掲載して頂きました。2003年に私が柴田南雄音楽評論…

高橋アキの世界

高橋アキが初演し、あるいは彼女に捧げられた作品は数多い。武満徹:「閉じた眼I」、湯浅譲二:「オン・ザ・キーボード」、「内触覚的宇宙II」、一柳慧:「ピアノ・メディア」、西村朗:「ヴィシュヌの化身」、松平頼曉:「ピアニストのためのアルロトロピー…

水から救出されたアーカイヴ

キャロサンプから、リュック・フェラーリと大友良英による「水から救出されたアーカイヴ」の音盤が届いた。この「水から救出されたアーカイヴ」は、フランスのミュジック・コンクレート界にて最も独創的かつ酒脱な作品を作曲し続けていたリュック・フェラー…

そら飛ぶ庭 関連

情報サイト「そら飛ぶ庭」の原稿を幾つか更新・改訂しています。第12回 松平頼則を聴いてみませんか7月16日の拙企画・制作の演奏会「101年目からの松平頼則」は成功裏に終了いたしました(現在発売中の「音楽現代」誌9月号151ページに、作曲家の横島浩さんに…

エグベルト・ジスモンチ オーケストラ・コンサート

5日 19:00 紀尾井ホール 沼尻竜典(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団 エグベルト・ジスモンチが、異端のセリー主義者であるジャン・バラケ(1928-1973)の最晩年の生徒であったという事実は、今となっては植木等が平山美智子(シェルシの協力者として知られ…

大泉学園の鰻屋にて

作曲家の神本真理さんより、声楽家の奈良ゆみさんが今月フランスより帰国され、大阪と東京でコンサートを開くことをお知らせ頂いた。奈良ゆみさんといえば、1989年以降の松平頼則の声楽作品が、一つの例外もなく彼女のために書かれているという、松平作品史…

101年目からの松平頼則のための参考資料

来月16日の≪101年目からの松平頼則 I≫の準備で、慌しくしている今日この頃。日記を書いている時間もないので、去年書いた松平関係の文章でも公開してみようかと。 「松平頼則の作品が、1950年以降、音列を駆使して作曲されていることは間違いないが、総音列…

武満徹作曲賞(審査員:スティーヴ・ライヒ)雑感

5/25 16:00 オペラシティコンサートホール■ ダミアン・バーベラー(オーストラリア・男性) God in the Machine■ トーマス・バレイロ(メキシコ・男性) La Noche de Takemitsu■ 松本 祐一*(日本・男性)広島・長崎の原爆投下についてどう思いますか?■ 中…

スティーヴ・ライヒ来日雑感@東京オペラシティ

スティーヴ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」は、20世紀に書かれた最も演奏至難な楽曲の一つである。そう断言しても良いように私は思います。実際、この作品の日本人団体による演奏はいまだなされてはいないのです。 もちろん、極めて複雑な譜面で奏者…

お蔵出し2

「そら飛ぶ庭」という情報サイトがあり、そこに1年ほど前から月1で文章を書かせて頂いている。最初は、旅と音楽を関連付けた軽いエッセイのようなもの、という注文だったのだが、編集長よりテーマは自由に選んで良いよと言われたのを皮切りに、時にかなりコ…

20世紀オペラの臨界:B.A.ツィンマーマン「軍人たち」

B.A.Zimmermann 『軍人たち Die Soldaten』 新国立劇場 オペラハウス 7日 19:00 【指揮】若杉弘【演出】ヴィリー・デッカー【美術・衣裳】ヴォルフガング・グスマン【照明】フリーデヴァルト・デーゲン キャスト:【ヴェーゼナー】鹿野由之 【マリー】ヴィク…

お蔵出し

不特定多数を対象に某SNSに書いていたものの中から、まあ、公開する意味が無いでも無いかな、と思ったものを、ここで公開することに致しました。特に、批評というものが存在しないも同然の吹奏楽のコンサートについては、こうした記録であっても貴重なものと…

爆音映画祭

吉祥寺バウスシアターの音楽用音響システムをフルに使い、限界まで音量を上げて映画を観る試み:「爆音映画祭」が、5月16日から24日まで開催されるそうです。爆音と言いつつも、過去の上映を幾つか経験した限りでは、細部が聴き取れないようなレベルまで音量…

奏楽堂の響き2

4/27 18:15 旧東京音楽学校奏楽堂 福田滋指揮:リベラ・ウィンド・シンフォニー 團伊玖磨:オープニング・ファンファーレ 芥川也寸志:祝典組曲no.3行進曲(Marcia in do) 松平頼則:日本舞曲第2 平尾貴四男:「南風」 須賀田礒太郎:フーガによる舞踏曲 早…

さらにケージのディスクから

The Piano Concertosアーティスト: John Cage出版社/メーカー: MODE RECORDS発売日: 1997/02/18メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る 2005年5月に「タモリ倶楽部」でも取り上げられた、ジョン・ケージ作曲:《ピアノとオーケストラ…

ジョン・ケージのナンバーピースから

The Number Pieces 2 - Five 3アーティスト: John Cage出版社/メーカー: MODE RECORDS発売日: 1999/09/21メディア: CD購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (1件) を見るジョン・ケージは、1987年以降その死の年(1992年)まで、ナンバーピースと呼…

101年目からの松平頼則 I

作曲家の松平頼則は松平頼孝子爵の長男として生まれた、今で言うところの正真正銘のセレブで、幼少時から青年期までを過ごした小石川の邸宅は敷地2700坪にも及ぶ広大なものだったという。ただ、この話は良く耳にするものの、この屋敷が小石川の何処に位置し…

クラフトのストラヴィンスキー

八村義夫が松平頼暁宅へ夜中に電話をかけてきて、藪から棒に時計の針が刻む音は何拍子だと思う?と訊き、1拍子だ。と松平が即答したという話は、2人の作曲家の志向の違いを物語る素晴らしい逸話だと思う。発音のシステムが同じなら針は常に同じ音を刻むし…

バンド維新2008

バンド維新2008 / King Records KICC 682 1. 三枝成彰:序曲 機動戦士ガンダム・逆襲のシャア* 2. 西村朗:秘儀I〜管絃合奏のための 3. 服部克久:星への誘い 4. 一柳慧:Poem Rhythmic 5. 丸山和範:Cubic Dance* 6. 小六禮次郎:アンゼラスの鐘* 7. 木…

オーケストラ・ニッポニカ

4/6 14:30 紀尾井ホール金井喜久子 梯梧の花咲く琉球 (1946)平尾貴四男 古代讃歌 (1935)深井史郎 交響的映像「ジャワの唄声」 (1944) 松平頼則 南部子守唄を主題とするピアノとオルケストルの為の変奏曲 (1939)橋本國彦 感傷的諧謔 (1928)山田和男 交響的「…